「仁田尾の知覧茶園」では、鹿児島で深むし製法をどこよりも早く取り入れました。茶畑の丹念な土壌作りから、深むしの製法、技術の研究。特別なこだわりを持って深むし茶つくりに取り組んでいます。また茶摘み直後の荒茶の段階から温度、湿度などの品質管理を徹底。渋みを感じにくく、独特の甘みと香りをお楽しみいただけるように、「本物の深むし茶」つくりを目指しています。
鹿児島はいろんな品種のお茶が育つことで知られています。なかでも「ゆたかみどり」「あさつゆ」などは、一般的な品種の「やぶきた」と違い、コクや甘みが強く、深むし茶にすることでその特徴が更に引き立ちます。この品種は温暖な気候の鹿児島、なかでも黒土の「知覧」で育ちやすいといわれています。知覧茶園では、知覧からできるお茶の特徴を最大限に引き立てる「深むし茶」をお客様に提供します。
生茶葉から煎茶を造る最初の工程で茶葉の細胞がほぐれ、成分が出るように通常は10秒から1分程度蒸します。深むし茶の場合は1分~3分程度蒸すことにより、茶葉からの滲出成分が通常の煎茶より多くなり、渋みや苦味が少なくなり、まろやかな甘みと風味が生まれます。 また砕けて小さく丸まった茶葉の端の部分は、実はお茶のエキスがいっぱい詰まっている部分です。ここが砕けているとエキスが出やすいので、独特の風味とコクが生まれます。
深むし茶は、生茶を長時間蒸すことで茶葉の組織がくだけた形になり、様々な成分が出やすくなります。そのため色が濃く、細かい浮遊物がたくさん含まれているのが特徴です。この浮遊物を分析したところ、普通のお茶にはほとんど含まれないΒカロテン、ビタミンE、クロロフィルなどの成分が見つかりました。Βカロテンには抗酸化作用、ビタミンEには血行促進作用や免疫機能改善効果、クロロフィルには腸内環境を整える働きがあると言われています。それらの成分がたっぷり含まれているのが、深むし茶なのです。